園路作りました
坪庭の隣に家庭菜園があるのですが、水やりや収穫のときに足もとが泥まみれになるのが問題でした(写真左)。解決策として園路を作ろうと思い立ち、昨年秋から取りかかり、年末に完成しました(写真右)。
素人の私がどうやってこの園路を作ったかを紹介します。こんなに楽しいDIYですが、普通の人が一歩を踏み出せない理由の1つには、道具がないことがあげられます。その心配を払拭するために、私が実際に使った自慢の道具一式をお見せします。なかでも園路を作る上で工夫したのが、この木枠です。ホームセンターで売っている1×4 6フィート材3本(500円相当)で作れます。水平器なんかは100円ショップのものでOKです。
園路の設計図をお見せします。アバウトに測量して適当にレイアウトしただけですからいつも施工段階で設計変更が頻繁に起こります。それがまた素人の手がけるDIYの面白さではないでしょうか。図で色付きの部分が今回造成する箇所です。基本的に幅40cm、長さ180cmのユニットを4つ作り、それらを市販の敷石でつなげる構造です。
園路全体のレイアウトが決まったので構成要素であるユニットの設計に入ります。予めホームセンターで目星をつけておいた材料を想定して下のような構造にしました。この幅40cm、長さ180cmのユニットを4つ作ります。
次に園路に使った資材を紹介します。この写真はレンガ(20cm x 10cm x 5cm、単価75円)100個と小型コンクリート平板(20cm x 20cm x 3cm、単価88円)80枚です。これに、モルタルを作るためのセメント(25kg、単価400円)1袋、砂(約30kg、単価300円)3袋、及び下地作りのための砕石(約30kg、単価300円)3袋が必要で、すべて近くのホームセンターで調達しました。合計1万8千円也。
園路の構成要素であるユニットの設計が終わったので、そのユニットを作るための準備です。本来ならば水糸をはって水平を確保するのですが、もっと簡単に済ませる方法を考えました。それがこの木枠です。内側の寸法(内寸)が40cm幅180cm長(高さは10cm程度、今回は9cm)になるようにホームセンターで調達した1×4 6フィート材3本で作りました。この木枠の中にユニットを作ることになります。
ユニット構築の準備が整ったのでいよいよ作業開始です。まず、木枠が入る溝を掘り、上辺が水平になるように下地を固めます。そして、写真のように木枠の内側に沿ってレンガを敷き、モルタルで固定します。モルタルはセメントと砂を3:1の割合でバケツに入れ、ジョウロの水を少しずつ足しながらスコップで混ぜ、少し粘り気が出てくればOKです。
レンガを敷いたら約1日モルタルが固まるのを待ちます。その後、ユニット内部の下地に砕石を入れて地固めをします。その上にレンガの上辺の高さまでモルタルを塗ります。これで土台部分が完成しました。
ユニットの土台部分が完成したのでいよいよ路面の作業に移ります。まず、土台部分と路面に使うコンクリート平板の接合のためにモルタルを1cm厚に塗ります。あとはコンクリート平板を2列に規則的に並べるだけで40cm幅の園路ユニットが完成します。
石工関連の作業をしているとどうしても市販のレンガや平板では設計寸法に合わない場合があります。そんなときは自分で切るしかありません。そこで活躍するのがディスクグラインダーです。ダイヤモンドホイール(人工ダイヤモンド粒子)という刃をつけるとコンクリート、タイル、陶器類なら何でも切断できます。これは3cm厚のコンクリート平板を切ったところです。
ここまでのところで園路は構造的には完成しました。あとは装飾性をどのように引き出すかが問題です。そこで、まず目を付けたのがコンクリート平板の上面にある縞模様の溝です。これは資材の下見段階で構想に描いていたのですが、縞模様が縦横交互になるように平板を配置しました。すると、この写真のように太陽光の反射の違いで適度なアクセントを与えてくれました。
アクセントの2つめは、コンクリート平板の配色と斜線の導入です。まず、ご覧のように基本の色はイエローですが、所々に違った色を配置することで華やかさを出しています。それと、単調な直線の連続を避けるために園路が斜めになるように工夫しました(写真手前側)。これだけで結構おしゃれな感じになっていませんか。
園路のアクセント3つ目は段差です。何を隠そう私は世にいう段差フェチ(通称だんさー)のひとりです。この種の人間は高低差のある場所にマクロ的に存在する非線形な背景と人工物の水平・垂直要素とのコントラストに心を奪われるのだと自分では解釈しています。たった一段ですが、園路に高低差を入れることで面白みが一段と増しました。
最後のアクセントは曲線です。レイアウトからも分かるとおり、園路はほぼ直線で成り立っています。この単調さを和らげる目的で曲線を追加することにしました。用いたのは写真左にある大きめの陶器の植木鉢2個で、これらをディスクグラインダーで3等分(120度)します。できあがった陶片をユニットが交差する箇所に配置するだけで園路全体に柔らかい感じを醸し出している気がします。
園路はいよいよ仕上げ段階に入りました。まず、ユニットのつなぎ目に30cm四方敷石平板(みかげ石)を置いて通路を完成します。次に、雑草防止のため園路の外側(つまり菜園の反対側)にピンク色の化粧石を敷きました。そして、内側には雨の日の泥の跳ね返りを防ぐためにバークチップを敷いてめでたく完成です。作業日数実働10日、材料費約2万円でした。