写真を絵画調に変換
最近ではデジカメで撮った写真を絵画風に加工するアプリやサービスがあります。加工された”絵”を見て15年以上も前に発表した拙著論文を思い出しました。その技術は画像からエッジ(輪郭部)のみを抽出して、少ないデータ量で画像を再構成するという画像圧縮符号化の応用でした。まずは、論文に載せた実験画像を見てください。
どことなく絵画風に見えませんか。私は画家ではありませんが、絵を描くときは被写体の輪郭線沿いに筆を動かします。輪郭線を挟んだ両側の色は明確に区別しますが、微妙な色彩の変化までは表現しません(私には不可能です)。輪郭以外の部分は適当に塗りつぶす程度で仕上げます。この画像符号化は、下図に示すようにそれと同様の処理を行っているのです。
この技術を画像加工に応用するときはデータ量の増加は許容されるので、輪郭部だけでなく背景部分にも色データを付加してやれば、よりリアルな”絵”になると思います。